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黙れブス

ブス@Ono3_がセックスとか自意識とか、について黙らないブログ

私が弊社くんというDV彼氏から受けた洗脳

弊社くんは周りからブラック企業って呼ばれてます……


まず、弊社くんの基本スペック。

週休1日。残業代無し。毎日最低3時間の残業。休日出勤手当て無し。その他手当て無し。ボーナス無し。もちろん薄給。零細企業。社員全員が営業、生産、管理、そして経理まで行う。


弊社くんとの出会いはいわゆる知人からの紹介で、とにかく卒業までに恋人が欲しかった私は初対面で弊社くんに告白した。

なんで卒業までに恋人が欲しかったかというと、世間一般的にもみんな人生の伴侶を見つけてから学校を卒業していくし、私はとにかく地元を離れて都会での新生活に憧れていたから、卒業までにシティボーイと付き合うことは絶対に必須条件だった。常時人手不足状態の弊社くんから二つ返事でオッケーをもらった私は、藁にもすがる思いで足繁く通い、徐々に経験と信頼を得ていった。

その時、弊社くんが周りからブラック企業と呼ばれていることには気づかなかった。学生時代にバイト先くんっていうセフレが何人かいたけど、恋人は弊社くんが初めてだったから、みんなが言う「まともな恋人」がどういう基準の人なのか全くわからなかった。私は弊社くんもまともな恋人だと信じていた。


私が弊社くんを好きになった理由は、私の好きなことを仕事にしていて、なおかつ社風がすごく自由だったから。今となっては全てが諸悪の根源としか言いようがない。好きになった理由は、呪いにしかならない。

最初は「誰でもいいから卒業までに恋人が欲しい」と言いつつも、純粋に弊社くんのことが好きだった。不器用だけど売上に対して真っ直ぐで、常識が通用しない破天荒さも魅力的だった。何より、恋人がいなかった私にとっては相手がどんな男でも、恋人という関係性や交際という行為自体が毎日新鮮で楽しいものだった。


私たちの関係に暗雲が立ち込めてきたのは新鮮さや楽しさにも慣れてきた倦怠期、そして不運なことにそこに繁忙期も重なってしまった。

弊社くんは次第に私を束縛し始め、家にも帰してくれなくなる始末。私が少しでも不満を漏らすと「俺のことが好きなんだろ」「好きなら少しくらい我慢しろ」と言って怒鳴った。私は何も言い返せなかった。

元々週休1日で弊社くん以外と交流できる時間は限られていたが、平日も長時間拘束されると週1日の休みも自然と家で寝潰すことになる。結局私は弊社くん以外との交流は禁止され、外部からの情報は一切シャットアウトされることになった。

そんな閉鎖状態の私をいいことに、弊社くんは私への叱責を織り交ぜ、自分に都合のいい情報を与え続けた。

「お前は力不足だから残業代が出ないのは仕方がない」「お前が好きで俺と付き合っているんだから見当違いな弱音は吐くな」「好きなら我慢しろ」

「どこの会社もこれが普通だ」「もっと厳しいところのほうが多い」「こんなに良くしてやってるのは俺だけだ」「今は厳しいかもしれないけど、お前が頑張れば俺はお前にもっと与えられる」

そして私を叱責した後は、必ず弱々しく、時に優しく語りかけてきた。

「お前に対して怒っているんじゃなくて、全体に対して言っている」「お前はすごく頑張ってくれている」「もしお前がいなくなってしまったらやっていけない」「俺も言動を改めていくから、これからも支えてほしい」



まず長時間拘束という物理的な手段で相手の体力や気力を奪う。

そして外部からの情報を遮断し、安心感と判断力を奪う。

次に相手を否定し、自信や肯定感を奪う。

さらに綺麗な言葉を並べて、信頼感と安心感を与える。


これは過去にテロリストがセレブの令嬢を誘拐し、時間をかけて洗脳して自分たちの仲間にしてしまった事件と全く同じ手法である。

抵抗するための体力と気力を奪い、情報を遮断し判断力を奪う。周囲にいるテロリストだけが自分と世界を繋ぐパイプであり、そこから流れてくる情報だけが全て。最初に散々恐怖を与えたあとに肯定と安心を与えると、何不自由なく育てられた温厚なセレブ令嬢を、テロリストと共に金持ちを駆逐する立派な殺人鬼に変身させることができるのだ。

私は今なす術もなくブラック企業の一味になり、鬱状態と書かれた診断書を提出することも出来ないまま、毎日身体に痣を作りながら「弊社くんには私しかいないの」と出勤するバカ女になっている。